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後輩と卒業式で

2025.10.11

私のこと

第5回:医師の原点を見つけた6年間(後編)

島根で出会った人たちの“ふるさと”への誇りや愛着を見て、自分も「医師としてどう生きるか」と共に「津山の人が健康に暮らせるようになるには、自分になにができるのか」と考えるようになっていきました。

 

島根県は全国でも人口減少や過疎が進んでいる地域が多いです。ただ、時間はゆっくりと流れ、素敵な人たちと心温まる風景であふれています。

たとえ人が少なくなっても、人と人とのつながりがそこにはある。それこそが、人間の幸せにとって最も重要なことであり、日本の未来の姿がここにあるのではないかと思いました。

当時から人口減少や少子化の問題が叫ばれてきていましたが、私は「人口減少自体が悪」ではなく、問題の本質は人口減少に対応できていない社会システムではないか、個別の課題を解決するためにはどうすればいいか、という視点で考えるようになりました。

 

その頃、『地域主権型道州制―日本の新しい国のかたち』(PHP新書 著者:江口 克彦 氏)という本と出会いました。

明治維新以降つくられた中央集権体制こそが現在の日本の衰退を招いている、地方主権型道州制を導入することによって、新しい地域、そして日本の未来が見えてくるという内容でした。

私は道州制推進論者ではありませんが、この構想を、もう20年以上も前に提言されていたことに驚かされます。

そして、日本はそこから何か変わったのだろうかと、改めて考えさせられます。

この本を読んで、私が思ったこと、それは、「変化すること、それこそが希望」 ということでした。

 

私が今まで津山を含めた地方都市に感じてきた閉塞感、それは「何も変わらない」という固定観念だったように思います。

確かに国の体制が大きく変わり、地方の在り方が変われば、希望が持てる社会になるのではないか。そうなるためには、まず国より先に地方が変わらなければならないのではないか、そう感じました。

 

「日本の未来は地方にこそある」

 

島根での6年間は、知識だけでなく、人としてどう生きていくかを考える時間でした。ここで得た学びは、今の私の支えであり、大切な原点のひとつです。

水木しげる記念館

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