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中島病院の皆さんと

2025.10.17

私のこと

第8回:ふるさとで見つけた医療の本質

2011年の春から研修医としての地域医療実習では、中島病院さんと奈義ファミリークリニックさんにお世話になりました。

 

中島病院では、病院スタッフのみなさまがあたたかく迎えてくださり、嬉しかったのを覚えています。

診療以外にも胃カメラやエコーなど、様々な技術も学ばせていただきました。

特に印象に残っているのは、医師だけでなく、看護師、薬剤師、栄養士、事務職員の方など、中島病院で働くすべての職種の実習を体験させていただいたことです。

 

それまで私は“医療=医師”という視点で物事を見ていました。

でも、現場で実感したのは、“医療とは仲間の力の結集であり、チームで成し遂げる仕事だ”ということです。

 

「組織は、トップひとりの力で成り立つものではなく、チームで成し遂げるもの。だからこそ、そこに所属する人たちのモチベーションについては、リーダーだけでなくチームのみんなが常に気を配っておかなければならない」と考えており、仕事において最も大事にしていることです。

 

岡山県北の奈義町にある奈義ファミリークリニックでは、今でもお世話になっている松下 明 先生にご指導いただき、 “地域医療”を体現されている姿に感銘を受けました。

 

奈義町は、2019年に合計特殊出生率が2.95まで回復し、少子高齢化時代における“奇跡のまち”と注目をされています。

確かに子育てに対する手厚い支援施策、そして住民参加型の運営など、素晴らしい取り組みがありますが、奈義町が“奇跡のまち”といわれるのは、松下先生をはじめとする家庭医の先生方や地域に尽くす方々の「人と人をつなぐ力」があってこそだと思います。

 

実際に、多職種連携や医療介護連携、官民連携を言葉だけではなく、実体として動かしているその大きな背中を見て、心から尊敬の念を抱きました。

 

そこに住み暮らす人たちが安心して暮らせる社会をつくり、それを未来に向けて守っていくためには、多くの人たちと共に歩むための“ひとづくり”と“仕組みづくり”が必要だということを学びました。

 

医療従事者という枠を超えて、一人の人間として、いつか津山でこんな仕事がしたい。自分の人生で何をなすべきか、そして、もっと広い視野で「津山の人々が健康に生きるためにできること」を模索するようになり、公衆衛生という分野に興味をもつようになりました。

 

この時期の学びは、技術や知識以上に「チームで成し遂げることの素晴らしさ」と「人と人をつなげていくことの大切さ」です。

 

あらためて自分の人生を、津山の未来にどう活かしていけるのか、考える日々は続きます。

 

研修医編後編

研修医の頃

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