2025.10.27
私のことこれまで築いてきた人間関係を離れ、未知の世界に飛び込むことに不安もありましたが、『未来のために少しでも役に立つ人間になりたい』という想いが、すべてを後押ししてくれました。
大学院時代の一番の財産は、”疫学”という学問に出会えたことでした。
”疫学”とは、ある出来事に原因と結果の関係があるのか、またそれがどれくらい影響しているのか、を科学的に分析する考え方や方法論のことです。
この学問を学んだことで、世の中にあふれる数字や出来事について、『真実は何か』を自分で考える習慣と力が身につきました。
”エビデンス”という言葉は最近よく耳にしますが、それは医療だけでなく、人を幸せにするあらゆる分野で欠かせないものです。
特に政策や行政の世界でも、“エビデンス”に基づいた判断や行動は必要不可欠だと思います。
大学院での学びは、『現場で積み重ねてきた知識を、どうやって住民の命や健康、暮らしを守る仕組みに繋げるか』という視点を養う時間になりました。
また、この頃から津山に足を運び、人に会い、地域の課題を考えるようになりました。
中学や高校時代の友人と地元のまつりに参加したり、ボランティアで学童保育を手伝ったり、高齢者が多い地域で雪かきをしたり。
地元を離れて10年、改めて津山の良さを体で感じることができました。
ただ、そのとき思ったのは、
良くも悪くも津山は変わっていない。
でも、これから20年、30年先も同じでいられるだろうか。
変わらなければいけない時が来ているのではないか。
そして結論にたどり着きました。
『津山の子どもたちが、希望を持って笑顔で暮らせるまちをつくりたい』
そのために自分ができることは何か。
それが、”行政”という新しい世界に挑むことでした。
2017年、私は厚生労働省に入省しました。

津山の仲間たちと踊りに参加

津山に帰って祭りに参加