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コロナ対策チームと

2025.11.07

私のこと

第15話:危機の中に見えた人間の本質

私の心に深く刻まれたもうひとつのエピソードです。

 

2020年、まだ新型コロナウイルス感染症の患者さんを受け入れてくれる医療機関が少ない中、感染の波が迫る危機的状況で、ある病院の院長先生から患者さんを受け入れてくれるという連絡がありました。

 

「明日、院内でコロナ対応してくれる職員を募ろうと思う。人が集まるかどうかはわからないが、もしよければ感染対策の指導も含めて来てくれないか」

 

私は「必ず参加します」と答えました。

 

翌日、病院に向かうと、20人近くの看護職の方々や病院幹部が集まっておられました。

未知のウィルスに対する恐れ、誹謗中傷への不安、そして何より、自分たちが感染してしまうかもしれないという現実…。

 

その場で、院長先生はこう力強く語ってくださいました。

 

「今ここに集まってくれた皆さんを心から誇りに思う。本当にありがとう。こういった危機の際に人間の本質が問われる。立場や役職などではなく、人間として最も大事なことが今ここにあり、今日集まってくれたみんなの勇気、世界中でこれほど尊いことがあるだろうか」

 

その当時のお言葉や光景を今も忘れることができません。

 

それを聞いたとき、改めて「自分の役割を全うする」と、覚悟を新たにしました。

 

あの日の病院の光景、そして院長先生の激励のお言葉は、今も胸に深く刻まれています。

 

現場の覚悟が、私にとってどれほど大きな意味を持ったことか。

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