2025.11.14
私のこと保健所での仕事は、感染症対応だけにとどまりません。
生活習慣病の予防や母子保健、精神保健、さらには食品衛生まで、地域の暮らしに関わる業務は沢山あります。
わたし自身、地域に根ざして活動される団体や組織の皆様に温かく迎えていただき、多くの大切なことを教えていただきました。
中でも心に残っているのは、愛育委員や栄養委員の皆さんとの活動です。
健康に関する研修会、街頭での啓発活動、地域への声掛け活動、その一つひとつが人の温かさに満ちていました。
戦後まもなく、医療が今ほど整っていなかった時代に、愛育委員・栄養委員の皆様は地域のすみずみを歩き、住民の健康を見守り、子どもの栄養指導を行い、家庭の中に「予防」という視点を持ち込んでくれました。
地域の一員としてともに考え、支え合いながら健康づくりをするこの活動は、まさに「住民による住民のための保健活動」の原点です。
時代は令和となり、社会の形も医療の在り方も大きく変わりましたが、地域を思い、誰かの幸せと健康を願うその心は今も変わりません。
保健所長の仕事は多岐にわたり、そんな中に身をおくことで視野が広がったと思っています。
今まで想像をしていた「津山のために何かしたい」は、ほんの一面を見て感じていたことだったという大きな気づきがありました。
地域に根ざした人々の献身と郷土愛が、地域の未来を照らしてくれる。
地域を支えてきた人々の想いに触れるたびに、このまちの持つ魅力と可能性を感じています。

ごんご囃子踊り連にて