2025.11.21
私のこと所長として在任中、クラスターが発生した高齢者施設に出向き、現地で感染対策の支援を行う機会もありました。
現場は想像を超える過酷さでした。
重症化する方が相次ぎ、命を落とされる方もおられました。
職員の方々は人手が限られる中でも、必死に入居者のケアを続けていました。
医療機関も逼迫しており、入院が難しいケースもありました。
結果として、施設の中でお看取りまで行う――そんな状況も少なくありませんでした。
その時にあらためて感じたこと、それは医療、介護、福祉は、“ひと”が全てだということです。
どれだけベッドの数があっても、優れた設備があったとしても、そこに“ひと”がいなければ何もできない。
医療も介護も、結局は“ひとの手”が支えている。
これはコロナ禍や医療介護の世界だけではなく、すべての業界にも言えることであり、この津山、そして県北全体で取り組んでいかなければならないことだと痛感しました。
2023年5月、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行しました。
ただ、今なお医療や福祉の領域は感染の波が来るたびに闘っています。
そして、まちの賑わいを見るたびに、あの時ともに戦った仲間たちや協力してくださった関係者の皆様のことを思い出し、多くの方の尽力の上に、ようやく迎えられた「今」であることを、私は忘れません。
「ひと」は互いに助け合うことによって、さらに磨かれ、変わっていくことができる。
そして、「今」を精一杯生きられることがどれほど素晴らしいことか、自分に言い聞かせています。
「ひとの力」こそがまちの未来をつくる、です。

中学校の友人とまつりで